米IT大手グーグルと英グーグル・ディープマインド社の研究チームが開発した人工知能(AI)のコンピューターソフト「アルファ碁(AlphaGo)」がヨーロッパの囲碁プロ棋士と対戦して、5戦全勝しました。
これはかなり快挙です。
コンピュータ将棋は現在実質プロ棋士を超えています。
しかしコンピュータ囲碁ソフトは、まだまだプロ棋士を超えるレベルまで到達しないと言われていました。
このアルファ碁(AlphaGo)というソフトが出る以前は、crazystoneやzen などの囲碁ソフトが一番強かったのですが、このソフトのレベルでプロ棋士と3子~4子の差があります。
アルファ碁は互先で5全勝したのですから、crazystoneやzenなど比べると飛躍的に強くなったことを証明しています。
crazystoneやzenはランダムな手の中から、最も勝つ確率が高いものを選び出す計算手法「モンテカルロ法」を採用しています。
このモンテカルロ法だと、先の展開をできる限り読むため、膨大な計算をしなければならず、そのためプロ棋士に勝つには計算が追い付いていませんでした。
アルファ碁(AlphaGo)は、ディープラーニングというコンピュータ自身が学習する最新技術を採用しています。
打った盤上の石の配置の画像や「勝ちにつながる形」を覚えさせたり、自分自身と戦わせて勝つための方法を学ばせることで、コンピュータ自身が強い手を見つけだす能力を高めたそうです。
モンテカルロ法を採用しているcrazystoneやzenと対戦させたところ、494勝1敗(勝率99.8%)というのですから、レベルの差がありすぎて同じ土俵じゃなく話になりません。
モンテカルロ法では、近年頭打ちの状態になっていてさらに強くなるには、ブレイクスルーしなければならないと言われていました。
このディープラーニングを採用したアルファ碁(AlphaGo)は、軽々とブレイクスルーしてしまったようです。
この負かされたヨーロッパのプロ棋士は、2013年~2015年のヨーロッパチャンピオンのファン・フイ氏(二段、フランス)です。
ファン・フイ氏は中国人なのですが、フランスに渡ってヨーロッパのプロ棋士になった人です。
中国でもプロ棋士だったみたいなので、かなりの強豪だと思われます。
ただ日本のトップ棋士と比べるとレベルは落ちると思います。
とはいえヨーロッパでは負けなしのチャンピンだったわけで、その棋士に5全勝と圧勝したのですから、日本の段位の低いプロ棋士たちは太刀打ちできないような気がします。
3月には賞金100万ドルをかけて世界トップレベルの超一流棋士イ・セドル九段に挑戦します、これはかなり注目の対戦になります。