無料映画サイトGYAOでアニメ『ファンタスティック・プラネット』を見ました。
空気感がちょっと衝撃のアニメ映画でした。
1973年フランス、チェコスロバキア合作で40年以上も前にこんなアニメがあったとは驚きです。
見る人によっては好き嫌いが分かれる映画だと思います。
僕は見終わった後にもう一回、2度も見てしまい、この映画のDVDが欲しいと思える内容でした。
まず僕の心をつかんだのは、映像です。
現代の日本アニメに慣れた人からすると動きもぎこちなく古臭いと言われそうな映像です。
あのぎこちない動きは、絵を切り抜いて、少しずつ動かして作られているそうです。
映像が絵画のようで僕は映像を見ているだけでも楽しめました。
それもそのはずで、絵の具や色鉛筆で描かれている絵がベースに作られています。
歳月には4年かかっているというのですから、手間がかかっています。
登場する風景や生物、植物が幻想的で空虚な空気感が漂っています。
この映画は、『風の谷のナウシカ』に影響を与えたと言われています。
見終わった宮崎駿さんが「ヒエロニムス・ボッシュの絵みたいな」と言われたように、調べてみると確かに似ています。
音楽もまたいいです。
ジャズ・ピアニストのアラン・ゴラゲールが担当し、気だるい不安感がある音楽です。
明るいメジャーキーの音楽は少ししか出てきません。
ほとんどがマイナーキーの音楽です。
この音楽がこの映画を一層引き立ててくれています。
吹き替えではなく字幕映画だったので、フランス語の響きも僕にとってはこの映画のスパイスになっています。
話の内容は、巨人と人間のストーリー?
巨大な宇宙人ドラーグ族と、人類にそっくりなオム族の話。
ドラーグ族からすると小さなオム族はペットとして飼われている存在でもあり、定期的に駆除される害虫のような存在でもあります。
ドラーグ族の見た目は青い皮膚に赤い目で不気味です。
ドラーグ族の日常も面白く、彼らにとって瞑想が重要で日常の時間の大半を費やします。
まるでタイやミャンマーなど上座仏教の僧侶のような日常です。
瞑想中に魂?が浮遊している描写も何度も出てきます。
ドラーグ族は、精神世界に生きているということでしょうか。
映画は、ドラーグ族の子供たちが道端で見つけた赤ちゃんを抱いたオム族の母親をいたずらしているところから始まります。
母親の方は、誤って殺されてしまい、その現場へドラーグ族の名士シン知事とその娘ティバが通りがかり、ティバが残った赤ん坊を飼いたいとペットとして引き取っていきます。
オム族の赤ちゃんは、ティバに育てられていくのですが、これ以上詳しく話すと見ていない人には、楽しみを奪ってしまうので、その後のストーリーは映画を見て楽しんでください。
独特の世界観が展開されていきます。
GYAOでいつまで見れるのかわかりませんが、興味のある方はご覧ください。
【DVD】