李世ドル九段(イ・セドル)vs AlphaGo(アルファ碁) 第5局 最終局は
AlphaGo(アルファ碁) の勝利に。
これで李世ドル九段(イ・セドル)vs AlphaGo(アルファ碁) の5局の対戦成績は、1勝4敗とセドル九段敗北で完全に人工知能アルファ碁が上回りました。
応援していた碁ファンとしては、脱力ですね。
しばらくはショックの尾を引きそうです。
まあこれを機会に囲碁界が何かステージアップしたらいいと思いたいですね。
今回凄いと思ったのが、天才デミス・ハサビス氏をはじめとしての開発チームがこのアルファ碁を短期間で作ったことです。
この強さには恐ろしいものがあります。
それまでの囲碁ソフトの開発があっての上での開発だとは思いますが、1年前ではプロ棋士を超えるソフトなどまだまだ先と言われていたのに、いきなり現れての今回の結果なので衝撃的すぎます。
黒 李世ドル九段(イ・セドル)vs 白 AlphaGo(アルファ碁)
278手まで白中押し勝ち
さて最終局の第5局は、右下隅に石塔絞り(セキトウシボリ)がでて白が取られ、セドル九段が有利な形勢になり希望の持てる最終局でした。
序盤の布石では、黒の小目に白1間高ガカリに下ツケて引きのよくある形から始まり。
白12と今流行りの手をアルファ碁は打ってきました。
黒17の打ち込みの手に手抜きで白18
ニコ生の解説の武宮正樹九段『これはありがたいですね』
この後、以下のように進行していきます。
白40のかけにセドル九段は、2段バネの図を心配したのでしょうか?
※アルファ碁は2段バネが好きです。
黒43といったん出てハネれば白46とつなぐしかないので、それなら黒47の1子が伸びきっているので上の図より良いと判断されたのでしょう。
この次にアルファ碁は白48のキリコミ。
これを見た囲碁プレミアム解説の王銘琬九段即座に『アルファ碁手が読めてない』
銘琬九段は、石塔絞り(セキトウシボリ)の形を瞬時に読んでこれは白無理だと判断されていたようです。
銘琬九段の予想通りセキトウシボリになって持ち込みに
これには、デミス・ハサビス氏がアルファ碁は石塔絞り(セキトウシボリ)をわかってなかったとツイッターで報告しています。
右上隅を締め付けて
以下のように進んで白模様もしっかりしてきました。
それでセドル九段、この模様を消しに黒69と打ちます。
僕も第一感そこだと思いました。
でも次のアルファ碁の手はなかなかでした。
この黒69の手をセドル九段は悔やんだそうです。
白70のボウシです。
打たれてみるとなかなか厳しいですね。
上辺は黒81まで以下のように進んで黒辛い生きに。
さらに締め付けも効いて白模様がしっかりしてきて
なんだか、白が盛り返しています。
解説ではまだ黒がいいと言っていましたが。
この時点では白良しに変わった?
黒85のノゾキから以下のようにすすみ、黒99で完全に生きて上辺は形が決まりました。
黒99のコスミの生きは気が付きにくい、なかなかいい手です。
普通なら以下の図のようにツケて生きるのが普通に考える手です。
これだと上の形が決まって効き筋がないので味も素っ気もないです。
上に効き筋がある分、コスミを打たれてみると確かにそのように打つ方が最善だなと思います。
さすがセドル九段です。
白100とかたい1間トビで、これはアルファ碁優勢と見て勝ちました宣言の手に見えます。
黒打つ手が難しいなと思っていたら、次のセドル九段の手がなかなかかっこいい手でした。
黒101とつけていきました。
センスあふれる筋の良さそうな手ですね。
以下のように進んで締め付けが効きました。
白106とケイマでしまりました。
大きい手ですよね、黒は左下隅の三々あたりに早く入って荒らして欲しいと思っていたのですが、白に先行されてしまいました。
白106って以下のように普通コスミとかで締まると思うのですが。
黒石がポロポロとあるので左辺打ち込みなどある心配あるからたぶん、実戦の方がいいんですね。
その分、隅は甘くなると思うのですが。
黒107と打ち込んでいきました。
以下のように進んで下辺を荒らしていきます。
白124と打たれて中央分断される手と黒123の右に押さえられる手を見合いにされて辛いですね。
今回の5局ともセドル九段は、このように追われる場面がありましたが、逆にアルファ碁が追われている形ってほとんどなかったたんですよね。
厚く打っているから形が乱れない、僕なんかすぐ形が崩れるのでこれは真似したいところですね。
下辺は2線を這ってなんとかつながりました。
辛い形ですね。
白地荒らしてるからこれでも満足という感じなんでしょうか?
中央を分断するのかと思ったら、その後ハザマに白と打ってきました。
分断された方がさらに厳しいと思うのですけど。
それだと中央攻めきれないというアルファ碁の読みでしょうか?
黒143まで以下のようにすすみ。
黒143ではワリコミをしたらどうだったか?と解説の武宮九段、銘琬九段両氏。
この後、左辺の白地荒らしと黒下辺を取られてとフリ替わりになりヨセ続けましたが、盤面5目ほど黒がいいようですがコミがかりで地合いが足らず作り碁にせずに投了となりました。
石塔絞り(セキトウシボリ)で石を取った時点では形勢良かったと思うのですが、上辺の折衝に問題があったのかも知れません。
セドル九段としては勝てるチャンスがあっただけに、悔しい思いが5局の中で一番あった対局だったと思います。
またアルファ碁との対局を見たいですね。
グーグルのアルファ碁のプロジェクトはあくまで人工知能を医療の分野などに役立てるための研究の一環に過ぎないので、人間を超える囲碁のソフトが開発が目的ではありません。
そのために次回が開催されるのかは?微妙なところのようです。
セドル九段との再戦も見たいところですが、次開催されるなら日本の井山さんか、中国の柯潔九段にやってもらいたいです。
恐らくその頃にはもっとパワーアップしているのでしょうね。
あとアルファ碁にはたくさんのCPU、GPUを使っているそうです。
だったらそんな人工知能と一人の人間の脳では不公平な気がするので。
超一流棋士を何人か集めてチームを組んでそのチームの頭脳と人工頭脳の勝負も見てみたいです。
棋風とかあって手の意見がわかれるからひとつにまとめるのは難しいのかも知れませんが。
あと家庭用アルファ碁作って欲しいですね、これと対局したらかなり勉強になると思います。
欲しいですね、ニーズ結構あると思います。
セドル九段が負けたことにはショックでしたが、この1週間は楽しませてもらいました。
アルファ碁を生んだグーグル ・ディープマインド(Google DeepMind)の研究 グループの方々ありがとう!!
これを機会にやめないで、これからもアルファ碁の開発・研究を続けてください。
アルファ碁が打つ新手を見てみたいです。
セドル九段は人間代表としてのプレッシャーは相当なものだったと思います。
真剣な対局の姿は美しかった。
負けても勝ってもセドル九段のコメントはカッコ良かった。
お疲れ様でした。
これからの活躍応援します!!
【李世ドル九段(イ・セドル)vs AlphaGo(アルファ碁)】
第1局
第2局
第3局
第4局