李世ドル九段(イ・セドル)vs AlphaGo(アルファ碁)の第2局もアルファ碁が勝利しました。
今回は、セドル九段の完敗じゃないでしょうか?
アルファ碁予想以上に強いです。
現在世界ナンバーワンの棋士 柯潔九段でも容易に勝てないのではないでしょうか?
今日も囲碁将棋チャンネルで高尾紳路九段の解説で見ていました。
黒 AlphaGo(アルファ碁)vs 白 李世ドル九段(イ・セドル)
211手まで黒中押し勝ち
黒のアルファ碁、右下隅のツケ引き定石で
黒7かけつぎまで打って開かずに黒13と中国流
こんな打ち方をするプロ棋士はいないと思います。
黒37手目の4線の白石への肩ツキは
おそらくプロ棋士ならこれも、あまり打たない手だと思います。
三村九段はブログの中で常識ハズレの一手と言っています。
ここでセドル九段は長考に入ります。
昨日は時間を余して終局になりましたが、今日は長考気味です。
手は進んで50手目の白の切り
僕の感覚では黒参っているんじゃないのと思うのですが
アルファ碁の読みではそうではないようです。
白56と黒の2子を取って
高尾九段白の形勢がいいでしょうとのこと。
しかしこの後、セドル九段は悪い手が見当たらずに手が進むのですが
いざ地を数えてみると黒のが多いです。
黒2子を取って白良しの形勢判断は誤りか?アルファ碁の形勢判断が正しかったのか?
手は進んで白80の打ち込みに黒81のケイマ。
この手を打つなら81の右の飛びの方がいいでしょう変な手ですねと高尾九段。
しかし手が進むと、81のケイマの方がいいのかと高尾九段なるほどと感心する。
三村九段もこのケイマの手には、感心させられた予想できなかった棋士が多かったと思うとのこと。
そして次の黒91の手で高尾九段
こんな手はないでしょうと
アルファ碁がますます強くないように思えてきたとコメント。
しかし手が進むと、そうでもないことがわかってきます。
黒91、黒93、黒97と一般には筋が悪いとされるような手順で白の根拠をうばっていきます。
![alpha-sedoru2-7](http://norakuranews.com/wp-content/uploads/2016/03/alpha-sedoru2-7.jpg)
黒97のノゾキに白はツイでしまうと、この白の一団が危ないようでツゲずに白は逃げるしかありません。
黒99と切ることができて、上辺が黒確定地へ。
黒101手目に白102、黒103、白104キリと進みます。
黒にはポン抜きをさせて白108と伸びきって少し安心の形に。
![alpha-sedoru2-10](http://norakuranews.com/wp-content/uploads/2016/03/alpha-sedoru2-10.jpg)
白110、黒111と代わって、白112と左辺の白に繋がります。
セドル九段は、白114では112の右にぶつかって形を決めずに白114と打ちました。
決めておいた方が良かったのでは?と高尾九段。
黒は115とハサミつけて逆襲してきます。
黒119に白の一団はどう手を入れていいか形がないために手抜きして、白は120と打ちます。
![alpha-sedoru2-12](http://norakuranews.com/wp-content/uploads/2016/03/alpha-sedoru2-12.jpg)
下辺の黒121の黒1子を取って白は大きく得をしたと高尾九段。
しかし後になってみるとこの切り取りはさほど大きな手じゃなかったことがわかってきます。
黒は手厚く127と打ちます。
アルファ碁は常に形が乱れません。
白128と手をいれ黒129のコスミに筋の悪い手ですねと高尾九段。
セドル九段黒129の手には、手を抜いて上辺へ打ちます。
たぶん形勢悪いとみて上辺を打っているんだと思われます。
黒135までの上辺の荒らしと白5子取られの、このフリカワリは、同じような大きさらしく黒が先手を持てるからセドル九段の判断が正解でしょうとのこと。
しかしこの時点では、黒の形勢は優勢のようで差はなかなか縮まりません。
セドル九段は頑張ってヨセるのですが思うようにはいきません。
相手は人工知能、コンピュータです、計算はしっかりできますから正確です。
手は進んで、黒157、白158の手に黒159と強烈な手を打ってきます。
![alpha-sedoru2-16](http://norakuranews.com/wp-content/uploads/2016/03/alpha-sedoru2-16.jpg)
ただ単に白152の石をポン抜きする未来図なら大したことないのですが、
黒は163と頑張って白は164と戻ることしかできず、さらに黒165と上辺が大きく黒地ができました。
さすがアルファ碁という感じです。
![alpha-sedoru2-17](http://norakuranews.com/wp-content/uploads/2016/03/alpha-sedoru2-17.jpg)
この先でまたフリカワリが、白166の手に受けずに黒は中央4子を取り、黒は右上隅6子を取ります。
これはフリカワリは、セドル九段が得したでしょうと高尾九段。
![alpha-sedoru2-18](http://norakuranews.com/wp-content/uploads/2016/03/alpha-sedoru2-18.jpg)
しかし実際には、黒は先手を持てたのでそれほどでもないようです。
先手の得の方が大きいようです。
その後、数手ヨセを打ちますが、実際には地合いは大差で黒がいいのでセドル九段投了となりました。
211手まで黒中押し勝ち。
2局目は、完敗じゃないでしょうか?
人間にとってこんな手はないと思われるアルファ碁の疑問手でも、その後の変化でそうでもないことがわかってきます。
コンピュータは、そういった先入観がないようです。
先入観は手の選択肢を減らして、碁の可能性をせばめているのかも知れません。
アルファ碁の手には、天才的な凄い手と思える手はないのですが、スキがなく弱点が見当たらない感じです。
残り3局ぜひセドル九段には頑張ってもらいたいですが。
昨日、今日の2局を見せられると勝つのは容易ではない気がします。
※関連
【李世ドル九段(イ・セドル)vs AlphaGo(アルファ碁)】
第1局
第3局
第4局
第5局