音感・ソルフェージュ

絶対音感と相対音感どちらが便利?

今日は音感について考えたいと思います。

まず僕の音楽体験を紹介します。

僕は幼稚園の頃にピアノを姉と一緒に習ったのですが、レッスンが苦痛で1年ほどで辞めてしまいました。

レッスンが嫌いなだけでピアノは嫌いではなく、中学の頃まで続いた姉のレッスン曲を真似して弾いたり、我流で適当に弾いたりしていました。

たった1年幼稚園の頃に習ったレッスンだったのですが、三つ子の魂百までもじゃないですがいまだに残っているものがあります。

それは音感です♪

幼稚園の当時、レッスンの最後に音あてクイズがありました。

ピアノを背にして姉と僕が並ばされて、先生がポンポンとピアノの音を出します。

この音は何の音?

このクイズのおかげで、完全な絶対音感ではありませんが、ピアノに関しては反射的に音がわかる音感がつきました。

ただ単音のみの音あてクイズだったので、和音の音感がつきませんでしたので和音に関しては一音一音取らないとわかりません。

この完全ではないですが絶対音に近い音感のおかげで、耳コピは割と楽にできます。

レッスンが嫌で辞めたピアノレッスンでしたが、ピアノは好きで成人するまでなんやかんや適当にピアノで遊んでいました。

成人してからしっかりとレッスンを受けたくなり、また一からピアノレッスンを始めました。

レッスンのおかげで、ピアノが以前より上達したのでキーボード担当ととしてバンドに参加するようになったりもしました。

その中で、様々な音感の人達と接する機会を得ました。

全く音感がないのにギターが上手い人、僕と似た小さい頃にピアノレッスンのおかげで音感がついた人

音感は人さまざまなんだなと

その中でもこの音感は便利だなと思った音感があります。

移動ドの音感です

まあ俗に言う相対音感です。

絶対音感と相対音感の聴こえ方の違い

この譜面の音を鳴らしたとします。(シーケンサーの譜面なのですみません)

絶対音感の人はドレミファソラシド聞こえます

つぎの譜面の場合

絶対音感の人はファソラシ♭ドレミファと聞こえます。

へ長調ですね。

さて移動ドの人の場合^^

移動ドの人はどちらもドレミファソラシドと聞こえます。

たぶん大方の人は移動ドに近い相対音感だと思います。

この音感は便利だなと実感したことの一つに

バンドではキーが変わったりします。

僕の場合キーが変わると頭の中で読み上げている音が変わるので、大げさに言うと別の曲をまた弾くような感覚があります。

しかし移動ドの人の場合全く変わりません、調が変わっても音の読み方は同じです。

この違いかなり大きいです、キーが変わるたびに僕の場合だと頭の中の音の呼び名が変わるので2度手間も3度手間もかかります。

しかし移動ドの人の場合、キーが変わりどれであろうと頭の中の音は同じです。

これって効率的でかなり省エネですね^^

調性音楽である場合だと断然移動ドの方が便利だと僕は思います。

現代音楽のような無調の音楽だと絶対音感の方が発揮できるようですが

世の中の音楽のほとんどは調性音楽です。

この差は大きいです^^

僕はこの移動ド的感覚を身につけたくて、移動ドの人と出会ってからすべての曲を移動ドで読む癖をつけるようにしました。

この感覚を身につければこれから便利になるなっと、移動ド練習を始めた当初はウキウキしていたことを覚えています。

ところがそうも簡単にいかないことがわかりました。

ヘタについた絶対音の感覚が邪魔をするのです。

移動ドで読み上げてピアノを弾いたとします、移動ドの場合調が変わるごとにドの位置が移動するのですが、僕の場合移動ドで読み上げても実音(絶対音)で聞こえるので実音と移動ドの音が衝突して頭の中がごちゃごちゃになってきます。

次第に素直に聴こえる実音が優位になってきて最終的に気が付くと実音で歌い上げてしまっているのです。

それでもめげずに移動ドで読む練習を続けました。

まあ少しは移動ドで読めるようになったものの、完全にはつきませんでした。

移動ドの人は曲を聴くと移動ドで聞こえてきます。

しかし僕は何度も移動ドの練習をしたのに移動ドでは全く聴こえてきません。

絶対音で聴こえるのです。

三つ子の魂百までもじゃないですが、この小さいころにつけられた音感というものはしぶといものがあります。

消えないのですね

その後わかったことがあるのですが、僕の場合調性感の弱い絶対音感に近いためキーチェンジに弱い

調性感のある絶対音感だとそんなこともないようです、僕はないのでその感覚がわからないのですが。

ある時プロの作曲家に音感についてたずねたことがあります。

その方は絶対音感を持っておられます。

作曲家の場合、移動ドの方が便利だと思うとおっしゃっていました。

僕の拙い音楽体験でも、移動ドをマスターできれば便利だなと思うこと沢山です。

調性感が強いので曲の構造をすぐ理解できます。

移調に強いですし

様々な音感の人と接して気づいたことに、上の年代の人に移動ドの人が多いことがわかりました。

どうやら昔の学校の音楽教育では、移動ドで学ばされていたようですね。

絶対音感も相対音感(移動ド)もどちらも一長一短があるようで、絶対音感と相対音感の論争には決着がつかないようです。

たぶん全世界でみると相対音感の教育の方が多いのではないでしょうか?

アメリカの音楽大学では、移動ド式で学ばされるようですし。

僕自身の体験としては、移動ドの方が断然便利だと思いますね。

 

 

 

 

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